高出力固体レーザー

 高平均出力(>10W)パルスレーザーはレーザー加工やレーザーカラーディスプレイなど、様々な応用が期待されています。 われわれの研究室では、 Nd3+イオンドープレーザー結晶を用いた1.06μm、1.3μm帯高平均出力パルスレーザーの研究開発を 行っています。
特に、YAGに比べ誘導放出断面積が大きなバナデート結晶、単結晶に比べ高濃度にNdイオンがドープできて高品質なYAGセラミックを 中心に 100kHzを超えるQ-スイッチパルス動作で平均出力10Wを超えるレーザー装置を開発しています。 (M. J. Damzen教授、インペリアルカレッジロンドンとの共同研究)

また、これらの固体レーザーでは、励起半導体レーザーの波長が800-810nmなのに対して発振波長が1.06mmであるため、 残りのエネルギーは熱となって固体レーザー結晶の温度上昇を引き起こします。この温度上昇はレーザー結晶中に熱レンズ効果、 熱収差、熱複屈折などの様々な熱効果を誘起し、レーザー装置の高出力化にとって大きな障害になります。
われわれの研究室では、熱効果の高精度定量測定法(ホログラフィックシヤリング干渉法)を開発してこれまで、Nd:YAG、Nd:YVO4、 Nd,Lu:YAl3(BO3)4 (Nd:LYAB)、Nd:YABなどの固体レーザー結晶における熱効果の解析を進めてきました。最近は、Yb:YABなどの レーザー結晶の評価もはじめています。
 さらには、生体分光、生体工学、レーザー医療の分野で大きなニーズがありながら、黄色~赤色領域の波長域での全固体レーザーは これまであまり研究されてきていません。われわれは全固体ラマンレーザーによって、全固体黄色レーザーの完成を目指して研究を 進めています。写真は古河機械金属㈱と共同開発した (2005年7月12日、日刊工業新聞などにて新聞発表)全固体黄色レーザーです。