位相共役波
位相共役波についての研究内容をご紹介します。
空間を逆戻りする不思議な光「位相共役波」
位相共役鏡を用いたホログラフィック自己適応型レーザー
Nd:YAG、Nd:YVO4等の半導体レーザー励起固体レーザーが、近い将来、レーザー加工における標準光源として重要な役割を果たすことは疑いの余地もありません。
一般に、固体レーザーでは、励起光吸収にともなって熱レンズ効果をはじめとする各種熱効果がレーザー光の空間モード劣化、レーザー出力低下を招きます。半導体レーザー励起固体レーザーでは、レーザー結晶中に発生する総発熱量は低減できるものの、励起光エネルギーが結晶の一部に局在しやすいため、これらの熱効果はより顕著に現れます。例えば、Nd:YAG結晶を20WクラスのLDで端面励起した場合、熱レンズ効果は20D(焦点距離にして5cm以下)を越えることが報告されています。また、総発熱量はレーザー共振器内のレーザー光子密度に大きく依存することも知られています。このことはレーザー加工で最も一般的なQ-switchレーザーを例にとると、レーザーのon/offの状態で熱効果が変化することを意味します。このように、レーザー結晶の熱効果は良好なビーム品質、高出力をめざすレーザー設計の大きな障害となります。
位相共役波は時間反転波と呼ばれ、空間を逆戻りする不思議な光です。この光の自己位相補償性を利用した自己適応型レーザー (Self-adaptive laser)は位相共役波発見当時から提案されていました。しかしながら、その当時、位相共役波発生効率は極めて低く実用的なレベルでのレーザー発振は得られませんでした。近年、フォトリフラクティブ効果(Photorefractive effect)や飽和増幅効果を用いることで、容易に高効率位相共役波発生が可能になりました。
一般に、固体レーザーでは、励起光吸収にともなって熱レンズ効果をはじめとする各種熱効果がレーザー光の空間モード劣化、レーザー出力低下を招きます。半導体レーザー励起固体レーザーでは、レーザー結晶中に発生する総発熱量は低減できるものの、励起光エネルギーが結晶の一部に局在しやすいため、これらの熱効果はより顕著に現れます。例えば、Nd:YAG結晶を20WクラスのLDで端面励起した場合、熱レンズ効果は20D(焦点距離にして5cm以下)を越えることが報告されています。また、総発熱量はレーザー共振器内のレーザー光子密度に大きく依存することも知られています。このことはレーザー加工で最も一般的なQ-switchレーザーを例にとると、レーザーのon/offの状態で熱効果が変化することを意味します。このように、レーザー結晶の熱効果は良好なビーム品質、高出力をめざすレーザー設計の大きな障害となります。
位相共役波は時間反転波と呼ばれ、空間を逆戻りする不思議な光です。この光の自己位相補償性を利用した自己適応型レーザー (Self-adaptive laser)は位相共役波発見当時から提案されていました。しかしながら、その当時、位相共役波発生効率は極めて低く実用的なレベルでのレーザー発振は得られませんでした。近年、フォトリフラクティブ効果(Photorefractive effect)や飽和増幅効果を用いることで、容易に高効率位相共役波発生が可能になりました。
自己励起位相共役鏡
このような位相共役波発生は一般に良く知られているホログラム記録再生機構とアナロジーが成り立つ部分が多いことから、自己適応型レーザーをホログラフィックレーザー(Holographic laser)と呼びます。このレーザーはレーザー動作の急峻な変化をレーザー自身が感知し、自発的に時空間モードを変化に合わせて自己組織化する新しいレーザーです。
われわれの研究室ではCWから超短パルスの高平均出力ホログラフィックレーザーの開発を行っています。特に最近、世界最高出力 (13W)の超短パルス(~7ps)ホログラフィックレーザーの開発に成功しました。
われわれの研究室ではCWから超短パルスの高平均出力ホログラフィックレーザーの開発を行っています。特に最近、世界最高出力 (13W)の超短パルス(~7ps)ホログラフィックレーザーの開発に成功しました。
高平均出力ホログラフィックレーザーシステム
超短パルスホログラフィックレーザー特性