光の放射圧

光の放射圧についての研究内容をご紹介します。

光の放射圧を利用した光マニピュレーション

光の放射圧
レーザーは通常の光と異なり輝度が高いため、その放射圧を利用して原子や分子から細胞に至るさまざまな微小な物体を動かすことが出来ます。われわれの研究室では、光の放射圧を利用した光マニピュレーションと呼ばれる手法を用いてマイクロメートルサイズの微小な球形のレーザー(微小球レーザー)を操作して、微小球レーザーの発光を制御する研究を進めています。微小球レーザーとは、蛍光色素がドープされている直径10μm程度のラテックスの微小な球です。空気中では、高いQ値を示すため複数の微小球レーザーの間で光のやり取り(光結合)が起こることはほとんどありませんが、水中では容易に互いの微小球の間で光結合が起こるので面白い現象が観測できます。
微小球レーザー
光異性化反応を示すアゾベンゼンポリマーのシス体を放射圧で動かし、回折格子を記録する研究も行っています。この回折格子をうまく設計するとアゾベンゼンポリマーの薄膜自身がレーザー増幅器や発振器になったりします。また、CDやDVDに代わる大容量光メモリとして注目されているホログラフィックメモリへの応用も期待できます。
光異性化反応
回折格子